わたしは普段はチューブ(地下鉄)に乗ることはありません。
自宅からウォータールーまでスクーターで送ってもらってそこから国鉄乗って会社に行きます。
帰りはウォータールーから自宅まではバスで1本です。
自宅の近くにチューブの駅がないので休みの日もバスかスクーターです。
ロンドンの地下鉄が今では東京なみに混雑してることやしょっちゅう壊れたり止まったりしていることは周知の事実なので、わたしは本当に恵まれていると思います。
しかし。
今日は月曜日で、週に一回のスウェーデン語のイブニングクラスの日でした。
大学はリージェント・ストリートにあるので、会社からウォータールーに行ったらその後ベーカールーラインでオックスフォード・サーカスまで行かなくてはなりません。でも乗り換えもないので、チューブ嫌いのわたしでもあまり苦痛に思ったことはありません。
いつもどおり国鉄を降りてベーカールーラインのプラットフォームまで歩いてきました。
するともう電車が止まっていて、中はいつもより随分空いているようでした。
とりあえず腰を下ろすとすぐにアナウンスが入りました。
「ピカデリーサーカス駅に壊れた車両が止まっている関係で、この電車の発車は5分前から止まっています。発車までもうしばらくお待ちください。」
もうすでに5分止まっているということはあと2,3分くらいで発車するかな、と思いそのまま座って待つことにしました。するとすぐにまたアナウンスが入りました。
「この電車が発車するのは15分ほど先となる見込みです。お急ぎの方は別のルートに変更してください。」
15分??すでに時計は6時を指しています。クラスが始まる時間です。仕方ないので他のジュビリーラインでボンドストリートまで行ってそこから歩こう、と決め、ジュビリーラインのプラットフォームまで歩いていきました。場所が離れているため、徒歩で4,5分はかかります。その途中、また別のアナウンスが入ります。
「ベーカールーラインは全線停止になりました。ちなみにジュビリーラインには深刻な遅れが発生しています。」
え?問題を解決して運転を再開するんじゃなくて全線停止にしちゃったの??しかも頼みの綱のジュビリーラインも遅れてるときてる。でもそれでも10分以内には電車に乗れるだろうと思い、とりあえずジュビリーラインのプラットフォームに向かう。着いたらすぐに次の電車がいつ来るのか、電光掲示板を確認する。
<次の電車は・・・・20分後>
・・・。
20分?なんだそれ。
そうなるとノーザンラインだがもう精神的疲労が高まり、ノーザンラインのプラットフォームまで行く気がしない(これがまたぜんぜん近くない)。もうどうでもいい気になり出口に向かう。もうクラスはあきらめて家に帰ろうかと思いバス停に向かう。でもクラスをミスることが気にかかる。今は大事な過去形をやってる途中だしなあ、とか、せっかく昨晩遅くまでかかって宿題をやったのになあ、とかいろいろな思いが頭をよぎる。時計を見るともう6時10分すぎ。ああ、どうしよう、今決断しなければ。
週一回のクラスだ、ちゃんと行かなきゃ!と気持ちを奮い立たせ、再度チューブの改札口に向かう。バスでオックスフォードサーカスに行くのは時間がかかりすぎるから、こうなったらもうノーザンラインでトッテナムコートまで行って、そこでセントラルラインに乗り換えてオックスフォードサーカスまで行くしかない。
改札を抜ける前にふと上を見ると、電光掲示板に現在のチューブの状況が出ている。
ベーカールーライン・・・・全線停止
ジュビリーライン・・・・深刻な遅れ
ノーザンライン・・・・・深刻な遅れ
セントラルライン・・・・遅れ
ノーザンラインも、その先に乗り換えるセントラルラインも遅れている。。。
一体、オックスフォードサーカスまでどれくらかかるのだろう。
頭のなかで何かがぷつんと切れた。
ダーリンに電話した。「もうイヤ。今から帰るから」
あまりに暗い声なのでびっくりしている。「どうしたの、一体????」
「あのね、この国は一体どうなってるの?後進国だよ、どう考えても」
ダーリンは否定しなかった。
たまにチューブに乗るとこういう目にあう。ロンドンに長く住んでるんだから慣れてるでしょ?と人は言うだろう。だがそれは違う。少なくともわたしは。
そのたびにカッカとなってしまう。
ロンドンに在住のみなさんなら、解ってくれますよね?
ヨーロッパやアメリカの他の国に住んでる方々に聞きたい。こんなことって普通ですか??